少ないリソースを酷使する

低レイヤーとレトロPC(PC98,MSX)が好きな情報学生

岩手でITコミュニティを作るということ。

初めましての方は初めまして、岩手でIoTLT盛岡というイベントを主催しながら、岩手県内の色んなITコミュニティに首を突っ込んでいる大将です。
本記事は第二弾 地方IT勉強会 Advent Calendar 2019の1日目の記事です。
地方IT勉強会 Advent Calendar 2019 の1日目はすでに @tomio2480 さんが公開しています。 11月が30日までだったことを忘れていて危うくすっぽかすところでした。(遅刻しているので実質すっぽかしてる)

記事が長いので最初に紹介しますが、 明日の第二弾 地方IT勉強会 Advent Calendar 2019担当はKeita Fukuiさんです!

本記事で書く事

自分の主催しているIoTLT盛岡を中心に、あくまで私の主観による「岩手でITコミュニティを作ってみてどうか」という現状の"お気持ち"を綴っていきます。今この文章を書いている時点ではどれぐらいの文量を書くかわかりませんがきっと長くなるので、その文量こそが熱量と思いの強さだと思っていただいてブックマークと拡散だけして頂いてブラウザバックしていただいても構いません。
結論としては 「誰になんと言われようとコミュニティは立てただけですごい。」 という ”それは、そう。” なことを書いてます。以上です。
12月末ぐらいまで東京にいるので近い人はご飯に誘ってくれると喜びます。

コミュニティ・イベント宣伝するしかねぇ

コミュニティ・イベントの主催者は当たり前ですが、隙さえあれば自分のコミュニティ活動の宣伝をします。
ということで記事の内容に飽きられないうちに自分が主催しているコミュニティ活動と、岩手県内のITコミュニティ活動の宣伝をします。
追記:「いわて Web+DB Press を読む会」や、岩手県内に複数道場をもつ「東北Tech道場」などのコミュニテイもあります。書き漏れでした。悪気はないので許してください・・・
こう見ると岩手はコミュニティ多いですね。

IoTLT盛岡・一関

東京では1回の開催で安定して50人以上、多い時で200人近く人を集めるIoTLTの岩手版を公式開催しています。
LTとは"Lightning Talks"の略で、うちのイベントでは1人5分くらいのフリートークを行ってもらっています。
2018年の12月から始め、毎月開催地を盛岡一関交互に移しながら、IoTに関係あったりなかったりする情報の共有を行っています。
楽しいよ!
盛岡の主催が私(大将)で、一関の主催が一関高専高橋源輝さんです。
一関開催では岩舘電気株式会社 様に協賛していただき会場費や交通費の支援をしていただいています。

connpass(本家IoTLT): https://iotlt.connpass.com/
Facebook: https://www.facebook.com/groups/iotlt.iwate/

IWDD

2006年2月から毎月続いている岩手では1番老舗かも知れないWeb制作者のための情報交換コミュニティです。
残念ながら私は参加したことはないですが、今月(2019/12/14)で157回目の開催と、とてつもない安定感と安心感を感じます。
Webに興味がある、勉強している人にはもってこいのコミュニティだと思います!
connpass: https://iwdd.connpass.com/

サイバーセキュリティの勉強会(笑) or ITの勉強会(笑)

@NaokiYoshidaさんが月一回?不定期?で開催しているIT勉強会・LT会です。
イベント名に「サイバーセキュリティ」と付いてたり付いてなかったりしますが実際はテーマフリーです。
その上「退出,途中参加,コスプレ自由」「外部に接続できない無線LAN(WEP)を設置するので、適宜パスワードを解析してください」という非常にゆるふわ?な雰囲気のある勉強会です。
CTFやSecHack365のお話も聞けます。
休日に情報共有したり作業するにはもってこいのコミュニティだと思います!

connpass(過去開催): https://iwate-it.connpass.com/event/152264/

Iwate.Unity

Unityを中心とした勉強会&ゆるもく会です。LTもあります!
PCさえ持ち込めば、Unity未インストールでも当日インストール補助してくれるそうです! とてもありがたき。
私もUnity触ってたことあるので参加してみたいなと思っています。
ここで集まった人でUnityインターハイに出場とか面白そうだなと思ったり・・・
ゲーム作ってみたい!という方にはおすすめのコミュニティです!

connpass(過去開催): https://iwateunity.connpass.com/event/150640/

Iwate Developers Community(IwaDev)

今月(2019/12/28)に初イベントを開催するらしいです。
最初のイベントは「ジャンルを問わず、ご自身がエンジニアにとって有益と思われる情報であれば何でもOKなLT会」のようです。楽しそうですね!
懇親会もあるようなので今から私もイベントを楽しみにしています。
connpass: https://iwadev.connpass.com/

岩手県立大学LT会(IPULT)

我が母校である岩手県立大学で開催されているLT会。
正確にはITコミュニティではなく、本当のテーマフリー(一人暮らしの料理についてや、おすすめのゲームを紹介したり)のLT会を開催しています。
分野の縛りもなければ、学内者である縛りもないので多分誰でも参加できます。
最近公式ツイッターの中の人が変わって愉快な感じになっています。
Twitter: https://twitter.com/iwatepu_lt
ホームページ: https://iwate-pu-lt.github.io

持ちネタ

このツイートが思いの外広がって、県外のLT会などで自分が主催するイベントを紹介すると「あー、あの!!見たことある!!!」と言われるようになりました。
よくネタにされます。ありがとうございます・・・?

どうしてコミュニティ活動を開始した?

端的に言えば、同じ話題で盛り上がれる馴れ合いの場が欲しかったのです。
大学3年生の頃、インターン活動やなんやかんやで東京に行く機会が多く、そのついでにLT会に行ったのがきっかけでした。
自分の知らない情報が知れるのはもちろんのこと、技術に興味があるもの同士で技術談義であーだこーだ話せるのが楽しかったのです。
その当時、母校である岩手県立大学では、自分が陰キャおとなしかったこともあってかコンピュータの話題で話し合える人がいなく、オタク特有の早口をしたい自分はとても悶々としていました。
それならば、「LT会」でなくとも「エンジニア食事会」や「エンジニア飲み会」みたいなワイワイ話せるコミュニティを立ち上げてもよかったのですが、IoTLT盛岡を立ち上げるに至ったもう一つの理由は"運"でした。
ちょうどその頃参加した学生・社会人エンジニアによるLT会、「manifes 2018」というイベントで優勝?して自分のLT能力に自信がついた・楽しさを覚えたこと。
(お酒を飲んだ後に行われた受賞者インタビュー: https://techplay.jp/column/347)
IoTLT創設者であるdotstudio株式会社代表の菅原のびすけさんと知り合ったこと。
その時調子に乗っていたことなどが重なり「IoTLT盛岡」を立ち上げるに至りました。

岩手のコミュニティの現状

現状をつらつら振り返ります。現状から考える私のお気持ちは後の章でお話します。

IoTLT岩手の参加者数と層

参加者数は別に重要ではないと言えればかっこいいですが、やはりイベントを主催すれば参加者数の動向は気になるもの。(少なくとも私は)
IoTLT盛岡と一関の参加者数を見てみましょう。
f:id:T-takeda:20191202015210p:plain 一関はある程度安定しています。というのも一関には一関高専があり、高専の学生参加が多いです。高専の先生や東北大学の先生、企業の方など社会人の参加も結構多いです。
岩舘電気株式会社 様のご支援も非常に助かっています。

f:id:T-takeda:20191202015257p:plain 盛岡は、立ち上げ時に必死の告知と営業で人を集めたものの、リピーターを作れず右肩下がりになりました。
参加者の層も2回目以降は社会人の参加率はほぼ0になり、学生中心で集まっていました。
そして、5回目の記念に0人を記録しました。
その次の回では多くの方に情けをかけてご支援をいただき、変則的にIoTLT北日本を主催させていただきました。
東は北海道、西は東京から参加していただき、社会人率も一気に上がりました。リピーターが増えていただけると嬉しい。

f:id:T-takeda:20191202015617j:plain
IoTLT北日本の様子

新たなコミュニティ

私がIoTLT盛岡を立ち上げた当初は単発で行われるイベント以外に、定期的にイベントを開催しているITコミュニティは「IWDD」と「いわて Web+DB Press を読む会」ぐらいでした(私が観測した中では)。
しかしながら、2019年に入ってから「ITの勉強会(笑)」や「Iwate.Unity」、「IwaDev」といったコミュニティが一気に立ち上がりました。
それぞれのイベントに個性があり分野もばらけていて、県内で同志を探している人にとっては選択肢が増えて非常に嬉しいと思います。
IoTLT盛岡について「IoTに分野を絞っているから人が集まらないのではないか」と指摘されたことが100万回ほどありましたが、別にうちのイベントに集まらなくても、うちのイベントのモデルを見て、自分の立ち上げたいテーマでコミュティを発足する人が出るだろうと思っていました。
”県内にITコミュニティが複数ある”という雰囲気を作れるだけで、自分も好きなテーマ・雰囲気で人を集めてみようと想うハードルは低くなると考えています。
というのも、まず"コミニュティを立てる", "IT系イベント"が当たり前に開催される・周知されている雰囲気が岩手は弱いと思ったので、まずはその風土ができてしまえば大量にイベントが発生する東京のようになんでも気軽にイベントを立てやすくなると想うからです。
みんなやってれば真似しやすいし、参入障壁も下がるやろってことですね。
ここまで読めば「俺が風土を作ったから今年はイベントがいっぱい立ったんや」と語っているように聞こえるかも知れませんが、今年立ち上がったコミュニティは別にうちのイベントがなくても、どれも0から1を産み出そうと立ち上がった意欲的なコミュニティだと思っています。(何様のつもりで言ってるんだ)
できれば仲良くしていただいて、"岩手はITコミュニティが活発である"風土にして行けたら幸せだなと思います。土下座。

考えること、お気持ち

「コミュニティを長く続ける」という点では以下の記事がとても参考になります。というかとても心が軽くなります。

強欲

私も、自分のコミュニティは長く続けたいと思っています。
しかしながら、私がコミュニティを立ち上げた動機に「同じ話題で盛り上がれる馴れ合いの場が欲しかった」というのがあり、初期はより多くの人と話したい・交流したいという欲がありました。
そうなると、参加者をいかに増やそうか・・・と考えるわけですが、0から考えるのも難しいし、アイデアだけでどうにかなるわけでもありません。
イベントを立ち上げた当初はとにかく参加者を増やしたいという強欲に囚われ、スーツで盛岡の企業様を周り宣伝したりしました。今思うとやばいやつですね。
夏にセキュリティキャンプに参加したあたりの時期も結構迷走しました。
セキュリティキャンプでのグループワークで「地方でITコミニュティを盛り上げたい人」でワークを行ったのですが、やはり"盛り上がり"という抽象的な目標で頑張るとなるとコミュニティ規模、"参加人数"が指標として上がってしまいます。自分自身も心内では「地域の人たちがみんな集まるようなよりどころになれれば・・・!」という野心は沸きます。話し合っている中でみな”人を集めたい”という気持ちがひしひしと伝わってきて中々体力のいる議論でした。(今思うと自分のコミュニティが成長しなくても触発されて地域全体でポツポツ増えてくれればそれも"盛り上がり"の指標にできる)
そのような気持ちがあってコミュニティを立ち上げる人も多いと思いますが立ち上げた後は一度落ち着いて現状を見る必要があるのかも知れません。しかし周りに参考が少ないと初期段階で 「俺が思ってたんと違う...!もしかしてこれってやばいのか!?」 と私は焦りが出てしまいました。
正直、東京のコミュニティに憧れて、地方に持ってくることのギャップがすごいのでしょう。参加者は自分含め最低2人いれば十分だし、会場が抑えられてWifiが使えるだけでかなり十分だと今は思えるようになりました。
(今思うとたった1年、たった1桁回しかやっていない地方コミュニティイベントとしては、参加者は3~4人いれば結構良い方だし、0人になることもさしておかしい事でもない。)

まだ焦るような時間じゃない

ある時、@tomio2480 さんから「コミュニティを広げるには工夫も必要だが浸透までの時間も必要だ」という趣旨のアドバイスをいただいてからは、確かに焦らずとも長期的に見てゆっくりと拡大して行けばいいかと自分の焦りを抑えることができました。
イベントをよりよくすることは悪いことではないですが、主催者の負担になりコミュニティの運営自体が楽しくなくなってしまっては本末転倒です。
なので、自分が負担にならない程度にちょこちょこアイデアを取り入れ、数年かけての成熟を目標としました。(成熟の基準は私の主観です)
ちょっとした工夫としては、そもそも勉強会に興味があるような意欲的な人は、岩手を出て県外のイベントに積極的に参加している場合があります。自分自身も県外のイベントによく行くのでその場で岩手のコミュニティの宣伝を必ずします。もし岩手の人が偶然にも同じイベントに行った時に、周りの人から「岩手でもこんなイベントやってるらしいね」と話題にしてもらうためです。外堀から埋めていくというこのアイデアも @tomio2480 さんから聞きましたが面白い発想でした。
あとは、毎回必ず参加したことない人 1-2人に誘いをかけるということです。いつも来てくれるメンバーで楽しくやるのもいいですが、やはり新メンバーが入るとより楽しさが増します。入りづらさは感じて欲しくないし、雰囲気の停滞も防ぎたいのです。

盲目故の考えすぎ

と、いうような心づもりで悠々とコミュニティ活動をやっていたのですが、最近また考えが迷走しました。
最近は、「こういうイベントをやってまして・・・」というと「費用対効果」「続ける意義は」「目指すところは」「行って利益になることは」という言葉が社会人・学生問わず飛び交い、「あ、いえ・・・趣味的なもので・・・」と何度もいうことがありました。その度に不思議な顔をされることもしばしばです。
不思議な顔をされるのも当たり前で、まだ私はリアルで集まることの意義をふんわりとしか考えていませんでした。人と語りたければネット通話でも良い時代になぜリアルで集まるのか。
特にも、参加者0人を達成していた時の自分はそこで堂々とプレゼンする自信がありませんでした。

私の大学の学生からは”企業と繋がれるなら行きたい”,”有益な情報が得られるなら行きたい”という意見をいただき、社会人の皆様からは”何が我々の利益になりますか?”, ”実績を作ってから誘いなさい”という意見をいただき正直私は何が何だかわからなくなりました。
純粋な技術好きに出会うことは難しく、まだ"情報を発信する"という習慣、"情報を共有することは有益である"という考えが根付くまでの道は長いのか・・・とも感じてしまいました。
しかし実際は"情報を共有する以上の付加価値"は確かに必要で、それがそのコミュニティの個性ともなり、モチベーションの糧となると今は思います。

もちろん、毎回参加してくれている学生や、協賛いただいている岩館電気様、過去に遥々東京から協賛&登壇していただいたKLab株式会社 様のように本当の技術好きの方々に出会えたこともありました。それは本当に運命の巡り合わせだと思っています。感謝。

ある日、つい酔った勢いで(全然関係者ではない、学生活動を支援している人に)「社会人の方にも来て欲しいと思ってるんですが中々集まらなくて・・・w」と言ってしまった時には「そういうのは実績が出来てから言うもんだぞ、実績がないのに欲を言うな」的なことをグサリと言われてしまい、「長期的に見て最終的に本家IoTLTのようになれれば・・・」という目標さえも「比べる相手が違うんじゃないか?君はまだ学生だろう」と窘められ結構落ち込んだりもしました。
正直、「落ち込むくらいなら気にしなけりゃええやん」と言えばそこまでなのですが。

そんなこんな”お気持ち”が溜まっても、コミュニティが少ない地方では何か悩んだ時に相談したり、コミュニティ運営者としての意見を聞くことは難しいです。
参加者にも相談すべきでしたが、参加者には楽しく参加して、楽しく帰って欲しいと思ってしまい、やんわりとした意見は聞きますがガッツリと相談することはあまりしていませんでした。

結局何が言いたいん?

孤独を癒すために始めたコミュニティ活動なはずなのに結局は考えすぎで自ら孤独になっている錯覚に陥っていました。
しかし、そういう時こそ原点に立ち返りましょう。
「誰になんと言われようとコミュニティは立てただけですごいのです。」
結論、やっぱりのところこれに尽きます。

実際は孤独なんてあり得ないことで、コミュニティは立ち上げた時点で誰かの目につき、何かしら効果を生んでいます。
connpassで自分の地域でイベントを検索して1件ヒットするのとしないのでは大きな差があります。
そういう点ではIoTLT盛岡は人の目につくどころか、すでに多くの人に支えられ、数多の交流が生まれ、大きな効果をもたらしています。それに気づくまで1年かかった。

これから

コミュニティを何年も運営している方はここまで読むのもうんざりするぐらい、典型的な地方コミュニティあるあるな状況であることがわかるでしょう。
なんとなくの雰囲気で手探りでコミュニティを立ち上げましたが、最近は他地域のコミュニティとコラボする機会や、このアドカレなどの刺激もあってコミュニティ運営先駆者の知見を多少なりとも学ぶ良い機会となりました。
それを踏まえた上で私が青かった部分があります。

  • 焦るな!2人でも良いじゃないか!
  • 地域に縛られるな!ネットを使えネットを!
  • リアルで集まる人数をアレコレ言うならリアルで集まる価値を考える
  • コミュニティは仲間なんだから、恐れずちゃんと想いは共有しろ!
  • 続ける理由に自信を持て

多くは考え方と気持ちの問題ですが、来年の課題点になりそうなのは"リアルで集まる価値"です。私はしがない貧乏学生ですのでお金のかからない価値を見出さなければなりません。何かアイデアや事例があればご教授頂ければと思います。

ITコミニュティは人々の高いモチベーションの集合体だと思っています。
まずは自分のモチベーションから、自信を持って、自分が楽しいことができればいいやと高めることは大切です。
これらはずっと言われている事だとは思いますが、改めて、手探りで始めて同じ状況に陥った人たちのために何度でも共有されるべき事項だと思います。
それを忘れないようアドカレ1日目にここに公開する形で文章を残しておきます。

最後に

まさかりは、思いっきり投げたい気持ちはわかりますが、優しく投げてください。
イキりポエムを書くのはこれで最後にしたいと思うので、これ以降Twitterなどで無意識にイキり始めたら「お前、やばいぞ。」と一文だけリプを送ってください。