Linux上のPC-98エミュでFreeDOS環境を整える(1)
前回の記事でLinuxにPC-98x1エミュレータを入れてみました.
しかし,「PC-98エミュを入れたところでOSがないと既存のアプリが動かせんやん!!!」
と,なってしまいますよね.
かと言って,当時のPC-98用OSは手に入りづらい・・・
そんな貴方のために,今日はお金をかけず簡単にPC-98エミュレータ上にDOS環境を構築する流れを備忘録的に書いていきます.
FreeDOSとは
世の中には無料で配布されているDOSがあります,その一つがFreeDOSです.
FreeDOSは、PC/AT互換機のためのオペレーティングシステム (OS) である。 MS-DOS互換の自由な代替環境などを目的として作られた。
(引用:https://ja.wikipedia.org/wiki/FreeDOS)
要するに,MS-DOSを持ってなくてもこれを使えばMS-DOSプログラムが動かせるってことですね.
「MS-DOS互換」とは言ってますが,実際はMS-DOS以上に高機能なDOSになってます.
PC-98向けFreeDOS
FreeDOS(98)
元々のFreeDOSは上記にもある通りPC/AT互換機のためのオペレーティングシステム (OS) ですが,
これをPC-98にも移植したFreeDOS(98)という神プロジェクトがあります.
現在の最新版(機能的に最新)な物は以下で公開・配布されています.
http://bauxite.sakura.ne.jp/software/dos/freedos.htm
最終更新は2020年07月09日(記事執筆時点)と,つい最近更新されました,神.
動作条件
READMEから引用すると,以下のようなスペックが求められるようです.
FreeDOS(98)の動作に必須となる環境は以下の通りです。
- NEC PC-9801シリーズおよびその互換機 (ハイレゾモード、PC-98LT、PC-98HAは未対応)
- 256Kバイト以上の基本メモリ
- 2DD(640K)もしくは2HD(1M)のフロッピーディスクドライブ、SASI、SCSI、IDE接続のハードディスクのうち、いずれか1基以上(PC-9801初代/E/F/Mの2D(320KFD)は未対応)
(PC-9801初代のHDインターフェースには対応していない可能性がありますが、未確認です…)
推奨環境は以下のようになります。
1Mバイト超のメモリが存在しない場合、FreeCOMがXMSを使ったメモリスワップを利用できないため、基本メモリの空き容量が少なくなるかもしれません。 (ディスクイメージに入っているMEMコマンドで、空きメモリ容量が確認できます)
ディスクイメージはFD,HD共にエミュレータでの動作を想定している,
よって,実機で動作させるには一手間必要かもしれない.
ダウンロードから起動まで(めっちゃ簡単)
ダウンロード
というわけでPC-98エミュでFreeDOSを使ってみましょう.
先ほど示した公開ページから,
の項目にあるzipをダウンロードしましょう.
んで,zipを解凍します.
$ unzip -d FreeDOS_98 fd98_hd_250m_20200709.zip
起動
今回は前回の記事でセットアップしたNP2kaiエミュでFreeDOSを使ってみます.
まずはNP2kai起動.
$ ./xnp2kai
メニューバーから,[HardDisk]→[IDE0-0]→[Open]を選択する.
先ほど解凍したFreeDOSフォルダの中にある****.hdi
を選択して開く.
[Emulate]→[Reset]でエミュレータをリセットする.
そうして,少し待つとFreeDOSが起動します!!簡単!!
ちょっとしたテスト
dir
コマンドでフォルダの中身をみれます.
ver
でDOSのバージョンを表示したり,time
でシステム時刻を確認したりして動作を確認します.